お子さんが小学生の場合、学校の成績は意外と簡単に上げることができます。その方法は単純で、家で勉強すればよいのです。
しかし、多くのお子さんは成績が上がりません。それは、家庭での勉強が十分できていないからです。
家庭学習ができない原因もはっきりしています。お子さんが勉強するための環境が整っていないためです。
人は環境によって育ちます。
お子さんが勉強しやすい環境であれば、進んで学習し、成績は伸びていきます。勉強しにくい環境であれば、なかなか勉強は進まず、成績は伸びません。よくて現状を維持しながら中学校、高校へと進むことになるでしょう。
家庭での勉強に必要なものは、高額な教材でも、特別な勉強方法でもありません。『勉強できる環境』です。空間、時間、内容の3つの環境です。
勉強できる環境は、どんな家庭でもつくれます。一度完成すれば、お子さんに「早く勉強しなさい!」「宿題終わったの!」など、がみがみと言う必要もなくなります。
お子さんの成績アップのために、進んで勉強できる環境を整えましょう。
小学生の成績は家庭環境を整えれば上がる
お子さんの「勉強できる環境」をつくるのは誰の仕事でしょうか?
お子さんが自分でつくることができれば最高です。しかし、小学生のお子さんには難しい場合が多いです。つまり、子供の学習環境をつくるのは親です。
最初に、お子さんの学習環境づくりで失敗している例を紹介します。
こうき君は、外遊びが大好きな活発なお子さんです。勉強もやればできるお子さんです。決められたことはしっかりと頑張ります。こうき君は、学校から帰るとすぐに遊びに出かけます。6時には家に帰り、夕食、お風呂を済ませた後、宿題を済ませてテレビをみます。こうき君の勉強の様子はこうです。
・テレビを見ている家族のいるリビングで勉強している。
・宿題が先かゲームが先かで迷う日が多い。
・毎日の宿題をする。忘れることはない。
小学生らしい勉強の様子ですが、実は「おしい」ところが三つあります。
どこか分かりますか?
一つ目は、リビングで勉強しているところです。リビングという場所自体はよいのですが、「テレビがついている」というところが残念です。
もしかすると、お子さんはテレビを見ながら勉強しているかもしれません。「~しながら」の勉強は、絶対におすすめできません。二つのことを同時にできるほど、小学生は器用ではありません。せめてテレビを消して、静かなリビングにしてあげるべきです。
二つ目は、宿題が先かゲームが先かというところです。これは勉強時間が決まっていないということにつながります。勉強して当たり前と思うようになるには、勉強の習慣化が必要です。毎日何時に勉強を始めるというように、勉強時間は決めておくことが大切です。
三つ目は、勉強は宿題だけということです。宿題は、毎日の勉強の習慣化と勉強した内容の復習を目的で出されます。宿題に少しの勉強を加えるだけで、学力は想像以上についていきます。
こうき君が残念なところをご理解いただけたでしょうか。しかし、残念なところは、少しの工夫で魅力的なものに変わります。
お子さんが伸びていく学習環境は、3つのポイントを押さえれば簡単につくることができます。
・勉強する時間
・勉強する内容
この3つのポイントを押さえることで、お子さんの家庭での勉強は進みます。
勉強する空間は、お子さんの集中力を高める
子供用の勉強部屋でも、リビングでもいいので、勉強する場所を決めておくことで、お子さんの集中力は高まっていきます。
よくリビング学習が子供の学力を高めると言われます。でも、リビングで勉強するだけで学力がつくわけではありません。
リビング学習のよさは、お子さんが分からないところに出会ったときに、家族にすぐに聞くことができるところです。一緒に考えたり、答えを探したりしながら、勉強の仕方を学んでいくのです。
普段の場所で構えることなく自然に勉強できるというところも、リビング学習の良さだと思います。
テレビがついていたりすると、テレビが気になり集中できません。「テレビを見ながら」などの「ながら学習」は、集中力が育たず、落ち着かないお子さんを育てます。
正しいリビング学習は、静かな雰囲気で、お子さんが勉強しやすいリビングにすることです。お子さんが勉強している時間は、家族で読書をしたり、一緒に勉強したりして、お子さんの勉強に協力します。
勉強する場所は、リビングでも子供部屋でもどこでも構いません。お子さんが落ち着いて勉強する場所を決めて、毎日そこで勉強することで、勉強への集中力は少しずつ高まっていきます。
勉強時間を決めれば、習慣化できる
何時から勉強するのか、勉強時間を決めておくことで、家庭学習を習慣化することができます。
勉強時間を子ども任せにしておくと、ついつい楽しいことが優先され、勉強が後回しになってしまいます。もちろん、お子さんの自主性を育てるために時間を考えさせるということは大切ですが、一番よいのは、一緒に話し合って勉強時間を決めておくことです。
おすすめの時間帯は二つあります。一つは「下校後すぐ」、もう一つは「7時から8時まで」です。
習い事や遊びに出かける場合、帰宅後すぐは難しいです。その場合は、「7時から8時までは勉強の時間にしよう!」など決めておくとよいでしょう。
毎日決まった時間に決まった方法で勉強することで習慣化します。日によって時間を変えるのは、あまりよくありません。家族の協力も大切です。
勉強内容を工夫すれば、学ぶ力が身につく
宿題だけで勉強を終わっていませんか。宿題+αで、お子さんの学力は確実に伸びていきます。
市販の教材や通信教育、学校の予習復習など、勉強する内容はたくさん考えられます。やろうと思えば、いろいろな勉強ができるのが家庭学習です。
しかし、いろいろできる分、お子さんにとっては何をすればいいのか分からないのも家庭学習です。
ですから、親が勉強することを示してあげます。または、お子さんと話し合って決めてもいいでしょう。
宿題が終わって15分間は、この勉強をするというものを決めるのです。
そうすることで、お子さんは「何を勉強すればいいのか分からない」という状態にならず、毎日15分間の勉強を積み重ねていくことができるのです。
おすすめは、何と言っても授業の予習です。宿題は復習しか出されません。ですから宿題を頑張ることは復習をがんばることになります。
予習とは、次の日の勉強を前もって学んでおくことです。教科書を読んだり、問題の解き方をノートに写したりするだけで良いのです。教科ごとの予習のポイントを紹介します。小学校は国語と算数の勉強が中心なので、この2教科の予習から始めるとよいでしょう。
・教科書を読んで、次の授業でどんなことを勉強するのか知る。
・単元の後ろの方にある「手引き」を読んで、答えを考えておく。
・教科書を読んで、次の授業で考える問題の解き方を知る。
・解き方をノートに写して、まとめておく。
家庭学習で大切にしたい3つのポイントについて紹介しました。勉強の仕方はたくさんあります。お子さんも一人一人違いますので、「この方法が一番いい!」などということは言えません。
お子さんにピッタリの勉強方法を見つけて、家庭学習を続けることが成績アップの近道です。そして、身につけた家庭学習のやり方は、中学校や高校でも役に立ちます。
人は環境によって育ちます。
お子さんによって、よりよい環境づくりを進めてあげてください。
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