小学生の頃、宿題でわからないことがあると一番に聞くのは親でした。親は忙しい時でも時間をつくって教えてくれていました。何十年過ぎても忘れられない勉強の思い出です。
今、自分が親となり、子供に勉強を教える番です。そこで問題になるのが、どう教えればいいのかということですよね。
今回は、子供に勉強を教えるときの具体的な教え方についてまとめます。
答えを教えるのはダメ!解き方を教えます
宿題を教えるときにやりがちなのが、あれこれ説明をして答えを教えるというパターンです。
実はこれ、あまりよくありません。
親に聞けば答えがわかるという思い込みにつながります。そして、子供の学年が上がるにつれて、親はどんどんきつくなっていきます。
親が答えを教えられなくなると、「うちの親はダメだ!」などと思われてしまいます。
ベストな方法は、「解き方を教える」ことです。答えは教えなくてもいいです。
あまり難しく考える必要はなく、大人が頭の中で考えていることも口にして、問題を途中まで解いていけばいいです。
「こうすると解けるようになるよ」
ということを教えてあげるのです。それでは、具体的な教え方です。
算数の教え方の例
小学3年生のわり算の問題の場合です。
いちごが24こあります。
6人でわけると、一人分はいくつですか。
教え方のコツ①
「わける」ときには、わり算を使うということを教えます。ここは子供に考えさせることではなく、覚えてもらうことです。
教え方のコツ②
式を考えます。式がつくれない子には、もっと簡単な例を出します。
いちごが4こあります。
2人でわけると、一人分はいくつですか。
この問題になると、イメージしやすくなり、式と答えも簡単につくれます。わからない場合は、簡単な図をかいてあげるといいでしょう。
式は 4÷2 です。
同じように考えさせると、式は 24÷6 と答えると思います。
教え方のコツ③
24÷6の答えがわからないこには、6の段の九九を言わせるようにします。
答えが24になる九九を自分で気づくようにさせるのです。
国語の教え方の例
国語の宿題で、子供がわからないと聞いてくるのは、言葉についてと読み取りです。
言葉についてというのは、漢字や文法的なことです。教え方は簡単です。必ず答えを言わずに、ヒントを出すようにします。
例えば、漢字の「境内(けいだい)」の書き方を聞いてきたとします。そのときには、
「さあ、3つのうちのどれでしょう?」
と言いながら、「経台・境内・径大」の3つくらいを書いてみせます。もちろん、正しい答えも一つ入れておきます。
完全に答えを教えるのではなく、少しでも考えさせるようにするのです。
理科や社会、それ以外の教え方の例
理科や社会、それ以外の勉強での教え方です。これまでと同じように、すぐに答えを教えずに、解き方やヒントを出していきます。
正解には自分でたどり着くようにするのです。
社会の地図記号で、消防署がわからなかったとします。
いくつか似たような形を出して選ばせたり、教科書の○○ページのどこかにのっているなど、探し方を教えたりします。
「教科書をみてごらん」では、子供はなかなかさがそうとはしません。何ページあたりにかいてあるということまで伝えると、教科書を開くようになります。
勉強は子供が自分の役に立つようにするものです。答えを教えるのではなく、ヒントや手がかりを教えて、自分で答えにたどりつくようにしましょう。
ほとんど親が教えているような場合でも、答えだけ自分で見つけると、「自分でできた!」となるのです。
この「自分でできた!」が、お子さんの勉強へのやる気を育てます。