小学生が苦手に感じているものの一つに「作文」があります。国語で作文の勉強をするときは、授業が始まる前から嫌な気持ちでした。わたしは、作文が苦手でした。
でも、正しい作文の書き方を知ったとき、作文は難しいものではないことを知りました。
友達が、何を書こうか迷いながら悪戦苦闘しているときに、自分だけスラスラ書けるのは、ちょっぴり優越感を感じることが出来ます。
このちょっぴりの優越感は、やがて自信へと変わっていきます。作文が得意になるのです。人間って不思議ですね。ちょっとしたきっかけで変わるんです。
今回は、お家で作文を書くときに、お子さんに書き方を教える場合を考えて書いています。
わたしが作文を書くときの書き方を紹介します。よろしければお試しください。
小学生の生活作文の例
生活作文とは、学校や家庭など、様々な生活の中の出来事について書く作文です。テーマが決められていないことも多く、自由に書く作文とも言えます。
生活の中の出来事を題材にするので、題名や書き方は無数にあり悩むところです。生活作文の例はこちらです。
・感想
・行事
・がんばったこと
・お手伝いをしたこと
・お出かけしたこと
・将来のこと
・好きなこと
・発見したこと
・チャレンジしたいこと
・身の回りの出来事
・家族
・仕事
・友達
本を読んで書く読書感想文などと違い、いろんなことが書けると思います。
ですが、ここが一番の悩みでもあります。
「何を書けばいいかわからない!」
そうです。作文が苦手な子は、何を書くのか選ぶことも苦手です。
一番簡単なことは、学校や地域の行事について書くことです。
一言で行事と言っても、実は身の回りにはたくさんあります。
豆まきや七夕、お正月、誕生日などの家庭の行事でもいいですよね。
この行事の中で、一番最近のことを作文に書きます。これが一番簡単かと思います。子供の印象にも残っていることが多いからです。
さすがに1週間前の運動会のことを、きれいさっぱり忘れてはいないでしょう。
日記の書き方はこちらをどうぞ
>>小学生の日記の書き方【文例集】宿題にどうぞ
作文を簡単、きれい、上手に書く方法
作文は、書くためにあるのではありません。実は読むためにあるのです。
すると、作文で一番重要なことは、分かりやすくスッキリとした文章ということになります。
分かりやすい文章を書くには、手順があります。いきなり原稿用紙に文章を書き始めると、途中で書くのが止まったり、何の作文なのか分からない文章になったりします。
①タイトルを考える
②作文メモをつくる
③書き出しを工夫する
④作文メモを見ながら書く
⑤読んでみて、修正する
やや面倒に感じるかもしれませんが、大切なことは、②の作文メモをつくることです。
①③は、数分で終わります。必要なければ省略してもかまいません。
作文の題名(タイトル)を考える
まず、作文のタイトルを考えます。テーマといったりもしますが同じようなものです。
最初は、何のことについて書くのか決めます。
それをタイトルにするといいです。(例)運動会
最後の見直すところで、タイトルはつけ直しますので、何のことか分かるタイトルでOKです。
ここに時間はかけません。さっと決めましょう。
作文メモを作る
作文メモが一番の作文のポイントです。
作文メモとは、作文を書く前に簡単なメモをつくるというものです。
分かりやすいように具体例を出します。
作文に運動会のことを書きたいとします。(3~4年生をイメージして書きます)
作文の題:楽しかった運動会
作文メモ
・運動会朝のこと
・運動会の練習のこと
・かけっこで3位
・綱引きで勝った
・リレーでこけた
・白組が勝った(自分の組)
・夕食のこと
このように、運動会のことで、思い出したことをメモに書きます。
できるだけ書こうと思ったことを書きます。5つ以上は欲しいです。
そのメモに、作文に書く順番を付けます。
作文の題:楽しかった運動会
作文メモ
①・運動会朝のこと
④・運動会の練習のこと
②・かけっこで3位
③・綱引きで勝った
⑤・リレーでこけた
・白組が勝った(自分の組)
⑥・夕食のこと
作文に書く順番を決めるのです。このとき、やっぱり書かないでおこうと思ったものは、線で消します。
これで作文メモの完成です。簡単でしょう?
書き出しを工夫する
作文の書き出しを工夫すると、読む人を引き込む文章ができます。
例えば、2つの作文の書き出しを見比べてください。
「かけっこ、がんばってね。」
と言いました。・・・・・・
朝ごはんを食べるときに、お母さんがわたしに言った言葉です。
そうです。今日は運動会なのです。・・・・・
どちらも運動会の朝の様子から書き始めた文章です。
ですが、下のほうが、少し書き出しを工夫してあるように感じませんか?
このように、書き出しをちょっと工夫することで、読む人を引き込む作文になります。
次のような書き出しの工夫が簡単にできておすすめです。
・〇〇を知っていますか?という疑問からはじめる。
・「ド~ン!」「パンッ!」などの音から始める。
・色、形などの様子から書きはじめる。
・自分が伝えたいこと、結論からはじめる。
作文メモを見ながら書く
ここが作文を書く大切な作業です。
でも、作文メモがあれば、楽々できるんです。
作文が苦手なお子さんは、「何を書けばいいか分からない」から書けないお子さんが多いのです。作文メモには、すでに書くことが決まっています。ですから書きやすいのです。
原稿用紙に、題名、名前等を書きます。
作文メモの①を見て、「運動会の朝のこと」を思い出して原稿用紙に書きはじめます。
最初は、書き出しを工夫した文章にならなくてもいいです。最後に少し順番を入れ替えたりすればいいです。
①の「運動会の朝のこと」を思い出して、書いてしまったら、段落を変えます。そして②の「かけっこで3位」のことを思い出して書きます。
段落を変えるとは、次の行に一文字分を空けて書くことです。
あとは、段落を変えながら、③~⑥まで書くだけです。意外とスラスラ書けるはずです。
運動会全体のことになると、何を書けばいいのかわからなくなりますが、その中の「綱引き」などのように書くことを絞ってあげると、書きやすくなります。ですから、作文メモが重要になります。
読んでみて、修正する
最後まで書き終えたら、もう少しです。
最初に書いたタイトルを変えます。できれば、作文の中に出てきた会話「」の中の言葉にするといいです。
例でいうと、「かけっこ、がんばってね」です。作文の題は、「楽しかった運動会」から、「かけっこ、がんばってね」に変更します。
そして、書き出しの部分を読んで、説明したように工夫します。
一度全体を読んで、誤字・脱字やおかしいところをチェックして完成です。
おつかれさまでした。
現在、小学校の国語の授業では、作文の勉強が、学期に1~2回行われます。はっきりと作文の授業とは教科書にも載せてありませんので分かりにくいのですが、実はどの学年の子供も作文を勉強しています。
また、小学生の作文コンクールもかなり盛んです。特に学校からお知らせしていないだけで、身の回りに応募のチャンスは無数にあります。
夏休みの宿題等では、学校からいくつか課題として出される場合もあるようです。
そんな数ある作文の機会に、今回の方法をお試しいただけると、とてもうれしく思います。
作文嫌いの方が、少しでも書けるようになることを願っています。