小学生に苦手な教科を聞くと、よくある答えは「国語」です。真剣に考えてみるとおかしな話です。自分たちが毎日使っている「日本語」が苦手ということなのですから。
しかし、これはリアルな現実です。ですが、小学生の段階から国語の勉強の仕方を工夫していくことで、「苦手」は克服できます。家庭でできますので、やってみてください。
小学生で国語が苦手!その理由と特徴!
苦手を克服するためには、なぜ苦手なのかを知る必要があります。まず、国語が苦手なお子さんの「苦手の理由」と「特徴」について考えてみましょう。
国語が苦手な理由は1つ!読解力不足?
国語が苦手だと言うお子さんに多く見られるのは、「読み取る」ということについての勉強不足です。ひどいケースでは、読み取りの方法を全く勉強していないことさえあります。国語が苦手な理由は、読解力がないのではなく、文章を読み取る練習不足です。
分かりやすく算数の九九を例に出して説明します。みなさんは九九を言えますか?
どんなに歳をとって大人になっても、多くの方が九九を言えるのではないでしょうか。それはなぜか?
理由は簡単で、九九を言う勉強をしっかりと行っていたからです。
算数で掛け算を学習するのは、小学校2年生です。掛け算の勉強はどんなことをするのかというと、最終的に九九を覚える練習をします。
何度も九九を繰り返し口に出し、暗唱できるまで徹底して練習するのです。その結果、九九が言えるようになります。覚えた九九は、そう簡単には忘れません。

何度も練習しているから九九は言えます
国語が苦手な場合、その多くが「読み取りができない」「読解力がない」とされている子さんが多いです。
では、読み取りの勉強をしっかりとしているでしょうか?
実は「読み取りの勉強をやっていない」ことが多いです。国語の勉強と言えば、漢字の読み書き練習、音読が多いです。
音読は教科書を読んでいますが、読み取りの勉強をしているわけではありません。
文字を声に出して読む練習をしているのです。
読み取りの勉強は、読み取りの勉強として別にすべきです。
音読はしても、読み取りの勉強をしているお子さんは少ないのです。結果、読解力はついていません。
読み取りの練習をすれば、九九と同じように読み取りの力も必ずついていきます。
国語が苦手な場合の特徴~こんな場面ありませんか?~
国語、特に読むことが苦手なお子さんに多くみられる特徴的な姿です。当てはまるところはありませんか?
・読書(物語)をあまりしない。
・読書をしても、図鑑などの絵や写真が多いものばかり。
・国語はどんな勉強をすればいいか分からない。
国語だけでなく、算数や理科、社会。テストでは、分かっているのに間違えていることってありませんか?

「よく問題を読みなさい!」
そう声をかけていませんか?
実はこれは読む力、読解力不足だと思われます。問題を読んでいない場合もありますが、読めない、読みたくないのほうが近いかもしれません。小学校でこの状態が続き、改善していかない場合は、中学校で大きく差が開くことになります。
問題文も学年が上がるごとに難しくなっていくのです。気づいた時点で、読む力をつけるように家で勉強させましょう。1日15分の学習で、確実に読む力はアップします。
小学生が苦手な国語を克服する方法!
当たり前のことですが、読む力は練習すればついていきます。しかし、算数の九九と違うところは、練習したからといってすぐにできるようになるものではありません。しかし、練習することによって、ゆっくりと確実に読解力はついていきます。
国語苦手を克服!読書は間違い?
よく言われることが、「国語で読む力をつけるには読書が効果的だ」ということです。もちろん間違いではないと思います。読書をすれば、読む力は自然と身についていきます。
しかし、残念ながら、国語が苦手だと感じているお子さんは読書はしません。読んでいるふりはしますが、続きません。進んで読書する子なら、国語は苦手ではないのです。
まずは短時間の読み取りの練習をすることで、読む力はついていきます。
読み取りの練習をしながら読書をすれば、お子さんの文章理解力は格段に向上していくことでしょう。
読書よりも読み聞かせが効果的
読書ができる子になって欲しい。
そう願うのであれば、親子の読み聞かせはおすすめです。
方法は簡単で、親が子供に本を読んで聞かせるのです。
ポイントは、子供が興味を持ちそうな本から始めることです。親が読ませたい本から始めると続かずに失敗することがあります。
子供が本に興味を持つまで、やや時間はかかりますが、一緒に読む分、確実に読書は進みます。
国語の苦手を克服する方法は前学年スモールステップ学習!
おすすめの読解力をつける国語の勉強法を紹介します。
やっていけば確実に読む力はアップします。しかし、続けることが大切ですので、1日10分でも15分でも、確実に続けさせてください。
苦手な国語を克服する勉強法は簡単です。一つ前の学年の読み取りの問題集を1冊準備します。近所の書店に行けば見つかると思います。そちらをご購入ください。
例えば小学校5年生のお子さんの場合、小学校4年生の読み取りの問題集を買うのです。このような問題集がいいです。ページが1枚づつ切り離せて、1回が5分から10分で終わるような問題集です。子供も嫌がりませんし、負担にもなりません。例として紹介しますが、ご購入は近所の書店でいいですよ。
この前学年の読み取りの問題集を1日に1枚終わらせていきます。勉強の仕方はこうです。
2 読み取りの問題集を1枚する。(5分)
3 答え合わせをする。(2分)
4 やり直しをする。(3分)
問題によっても違いますが、1日1枚なので、10分から15分で終わります。この勉強を30日間続けます。すると、次のような効果が出ます。
・前学年のものなのでスラスラ解ける。
・分かるので自信がつく。
・読み取りは簡単だと感じるようになる。
さて、ここまで来ればしめたものです。前学年の問題集が終わるころ、現在の学年のものを準備します。小学校5年生なら、小学校5年生の読み取りの問題集です。同じシリーズの問題集が使いやすいと思います。
この現在の学年の問題集を、同じように1日1枚するようにします。内容的に1学年上がって難しく感じるかもしれませんが、国語の場合、あまり変わらない難易度の場合が多いです。ある程度スラスラ解けるようになっていると思います。
この勉強法のポイントは、一つ前の学年の問題集から始めるところです。そうすることで、簡単さを感じながら、「読み取る」ということに慣れていきます。九九を練習するのと同じように、読み取りの練習をしているのです。
1回では「読み取り」の勉強の効果は感じられませんが、30回ではどうでしょう?
文章から内容を読み取るという作業を30回繰り返していますので、読む力は確実についていることになります。
これを3か月続ければ、90回の読み取り練習をしたことになります。ある程度の文章はスラスラ読んで理解できるレベルだと思います。現在の学年の問題集が終わるころには、学年に合った読解力がついてきているはずです。
読み取りは教えて理解する部分より、毎日続けて慣れていく部分が大きいです。
この次の段階です。せっかく読解力がついていているので、ここで終わるのはもったいないです。もう一冊同じような簡単に終わる問題集にチャレンジさせましょう。そして最後は、少しレベルアップした問題集です。慌てず、できるだけ簡単そうな薄めの問題集を選びましょう。
読み取りが少しできるようになってきたら、通信教育を利用してみるのも一つの方法です。実力をアップさせてくれる教材がセットでついてきます。
小学生向けの通信教育については、こちらで紹介しています。
>>小学生向け通信教育
このように、小さな階段を上がるように勉強させることを、スモールステップといいます。苦手な国語の勉強も、スモールステップの勉強で克服できます。
読む力はすぐにつかない!しかし確実に伸びる!
紹介した勉強法で、国語の読む力は確実についていきます。しかし、効果を感じるには時間がかかります。読解力とは、なかなか測定できませんし、問題にも左右されるからです。そして日本語は難しいからです。
しかし、書いてあることを読み取る練習を繰り返していますので、徐々に成果は表れてきます。大切なのは、続けることです。
国語は全ての教科の基本となる勉強です。小学校も6年生になると、他教科も難しくなってきます。6年生で社会の教科書を読めないお子さんは、意外と多いです。これは社会が分からないのではなく、読む力がついていないということです。
中学校、高校では、さらに現代文、古文、漢文等が出てきます。早めの苦手克服は、この時に必ず役に立ちます。
是非、スモールステップ学習で、読む力をつけていきましょう。読む力は、全部の教科の勉強に生きていきます。
具体的な勉強方法については、こちらでもまとめています。
>>国語の力をつける学習方法